ポゼッションサッカー(パスサッカー)をする上でドリブル突破力、ボールキープ力が不可分であることを、わかっていない日本のサッカー指導者、サッカー関係者はけっこういるだろう。
ただ、パスに関して今も思うのは、現在のブラジルの選手もそうだけど、ドリブルが得意で抜く力が十分あって、でもワンタッチ、2タッチで組み立てていって、最後にドリブルを使っていく、ということだと見ている。つまり、ドリブルの力がないとパスも生きてこない。そういう前提がある。ドリブルもボールコントロールの一つで、ワンタッチで正確に止めたりする、といった部分では、今でも日本と世界との差があると思っている。
何度もいうけれど、基本は1対1で抜ける力があって、そこで自分が抜く喜びと味方を使って抜く喜びがある。そうでないと、やはり伸びないと思う。
「名選手が語る私の得意技 木村和司」『サッカークリニック』1995年4月号、20、21頁
徹底してドリブルにこだわるクラブがある。練習の大半をドリブルにさき、選手たちは片時もボールを離さない。練習試合にドリブルだけ―つまりパスは禁止―で挑むことがある。素早い判断の重要性がとかれ、パスをつなぐサッカーがトレンドとなっている現在、なぜ、ドリブルなのか。奈良県は大和高田市に高田FCを訪ねた。
中瀬古監督はなぜここまで徹底してドリブルにこだわるのだろう。理由を聞くと、意外な答えが返ってきた。
「パスサッカーをするために、ドリブルの練習をさせているんです」
パスをつなぐために、ドリブル……。
「結局、サッカーはパスゲームやと思っているんです。だけど、それをするために、パスを生かすためにはボールを持つ力がないとダメ。その力があればかなり上まで行ける。日本のサッカーが世界に通じるのも同じことですよね。身体的な能力は低いけど、技術があるからいろんなアイデアを生かすことができる。今まではそれを身につける指導というのはなかった。つなげ、つなげと口で言うだけではつながれへんのですよ。ある時期、とことんボールを持つ練習をしないと、持つ力というのはつきません」「中瀬古宣夫 中学生は技術を伸ばす最後の年代」『中学サッカー小僧』白夜書房、平成18年、2005〜2006年冬版、135頁
高田FCの指導についての参考URL
三浦ヒサオ「私、ユースの味方です」(第2、4水曜) : 第281回 世界に通じるドリブル 〜奈良・高田FC〜
http://www.ninomiyasports.com/xoops/modules/news/article.php?storyid=3317
外国の代表チームやクラブチームでパスサッカー(ポゼッションサッカー)を志向しているところはたいがい、ドリブル突破力、ボールキープ力が高い選手が何人もいる。オランダ代表、ポルトガル代表はパスを回すが、最後の崩しはサイドの選手のドリブル突破であることが多いし、ブラジルは前目の選手はみな、ドリブル突破力が尋常じゃない。


