上越教育大学 学校教育総合研究センター
教育実践研究 第15集 2005
目崎 茂春:体力向上のために,外で遊ぶ子どもたちを増やす取組(pdfファイル)
この学校ではサッカーは昼休みの外遊びでは、平成15年度には一番人気で、16年には二番人気。これだけ見ればうれしいかぎりだが、その内実は全校生約600人のうち、一日平均30〜40名しか昼休みにサッカーをして遊ばない。女子はサッカーをやらないとするなら、男子の10人に1人くらいしかサッカーをやらない。
校庭の滑り台、シーソー、ブランコ、のぼりぼう、うんてい、タイヤなどの遊具が平成16年度には校庭での遊びの第一位。サッカーよりも遊具がおもしろいと思っている子が多いのか。それとも、球技をやりたいが、コートをすでに使われているから、しかたなく遊具であそんでいるのか。自分の家のすぐ脇に小さな公園がある。そこで遊ぶ子どもは公園の遊具で遊ぶことに夢中。サッカー(おもいっきり蹴るだけの内容)をして遊ぶ子どももときどきいるが、飽きてしまうのか、短時間しかやらない。ほかの公園でもサッカーをやるより、遊具で遊んでいる子どものほうが多い。サッカーよりも遊具のほうがおもしろいと思っている子どもはけっこういそうだ。
「サッカーについては、ゴールが設置してあり、子どもたちはそれを目標にラインがない中でも元気にゲームをしていた」との記述があるが、校庭の図を見ると、ゴールとゴールの距離が長い。広すぎるスペースで、ゲームをしているのか。こんな広いスペースでサッカーをやっておもしろいのか。南米の子どものように物を置いてゴールを作ってミニゲームをしたりしないのか。
ドッジボールとフットベースボールのコートを増設したら、それらの遊びをする子どもが増えたみたいだが、サッカーのミニコートを増設したら、ミニゲームをする子どもは増えるのだろうか。
休み時間にはテレビゲーム(コンピュータゲーム)という強力なライバルがない(こっそり持ってきている子もいるとは思うが)。休み時間は、休む時間ではなく遊ぶ時間で、何かをして遊ぶことが大前提にある。放課後より休み時間のほうが大人数で遊べる。だから、放課後よりも休み時間のほうが、サッカーをして遊ぶのに適している。
「テレビゲームが普及したから、サッカーをして遊ぶ子どもが減った」、とサッカー関係者はいっているが、学校の休み時間はテレビゲームのない世界。野球のない世界(野球もどきのスポーツはある)。この学校にかぎっていえば、サッカーは遊具、ドッジボールなどと並んで遊びの一つにすぎない。一日平均30〜40名しか昼休みにサッカーをして遊ばないのなら、この数よりももっと少ない人数しか放課後にサッカーをやらないと考えるのが自然だろう。
この調査は一校だけのもので、全国的にどうなのかはさっぱりわからない。サッカー協会は全国各地の大学と連携して、似たような調査を数多くやってほしい。


