※「ストリートサッカーを普及する方法 その4、その5」と同じ趣旨の文章です。こちらもあわせてお読みください。
戸塚 僕らはジョージさんにおちょくられていただけですけどね(笑)。だけど、それが、後々すごくためになった。ジョージさんの曲芸のようなボール扱いを間近で見られたわけですから。ボールを奪いにいったら次の瞬間にはまったく違うところにある。「あれっ? 確かにこっちにあったよな」って(笑)。ボールを引いたり、浮かしたり、いろいろなテクニックを使われて、もう何が何だかわからない。最初に頭の上を越されたときなんか、本当にビックリしましたよ! カルチャーショックというかね。子供心に「この人は手品師だ」と思いました。でも、何度も対戦してくるうちに「なるほど、こうやってボールを動かしているのか」って目が慣れてきて、ボールの動かし方がわかると、そのマネをしたくなるし(笑)、マネばかりしてましたね。
「師弟対談 与那城ジョージ×戸塚哲也」『戸塚式ひらめきサッカー』出版芸術社、2006年、156、157頁
戸塚 クライフとかね。ああいうのが好きなんです。相手をからかういうか、バカにするのがサッカーだと、自分では思っているんです。ボクの環境がそうだったんです。ジョージさんや、カリオカなんかに、とにかくおちょくられていたんです。だから、それが今度は自分ができるようになるでしょ、それが楽しいんです。
「明石家さんまの爆笑キックオフ対談 ゲスト 戸塚哲也」『サッカーマガジン』1984年3月号、92、93頁
日本のサッカーのさらなる普及、レベルアップの鍵は、いかに多くの日本人(特に子ども)を戸塚哲也の太字部分のような気持ちにすることができるかどうかだと思う。
サッカーを本格的にやっている子どもが、戸塚の太字部分のような気持ちになれば、休み時間や放課後に友達を足技で翻弄するようになるだろう。それはその子自身の練習になるし、技をかけられる子どもがサッカーの本格的経験がない場合は、今度は与那城ジョージの立場になって、本格的経験のない子どもを戸塚哲也の気持ちにさせることができる。サッカーを本格的にやっている子どもの多くが、戸塚と同じ気持ちになって、友達やそんなに親しくない子どもにも、足技をかけるようになれば、何万人の子どもへの普及活動になる。
ある程度のサッカー経験があれば、もの凄いテクニックはなくてもいい
戸塚が与那城に最初に出会ったのは、中学の時。戸塚は高校生で日本リーグデビューをするような天才で、そんな天才が驚愕するレベルは、与那城ジョージクラスなのだろう。サッカーを本格的にやったことのない低学年の子どもあたりから見れば、サッカーの本格的経験のある高学年の子どもでさえも、戸塚少年からみた、与那城ジョージみたいなものだと思う。
だから、「ストリートサッカーを普及する方法 その4、その5」に書いたように、サッカーの練習の場で指導者ら大人が、子どもたちを足技でおちょくりたおせば、子どもの多くを戸塚哲也と同じ気持ちにさせることが可能なのではないか。
でも、テクニックはあればあるに越したことはない
でも、テクニックがあればあるほど、子どもたちをより惹きつけることができる。指導者ら大人の皆さんは、練習時間の前後、合間でいいから、技を磨いてください。68さんのサイト『パナブロ』にはストリートサッカーの超絶テクの動画がいっぱいあるので、ぜひとも参考にしてください。


